インプットとアウトプット

 
今日もモヤモヤっとしたグラフです。
 

 
読めても書けない漢字があったり、見聞きして分かるが自分では使えない語彙や言い回しがあることからも分かるように、インプット能力はアウトプット能力より必ず大きくなります。
語彙に限定して言えば学習初期に於いては見聞きして分かるパッシブ語彙と自分で使えるアクティブ語彙の差はそれほど大きくありませんが、学習が進み語彙が増えてくるとパッシブ語彙がどんどん増えていきます。
 
となると、さすがのネイティブでもインプットとアウトプットの関係はY=Xにはならず、段々となだらかなカーブを描くのだと思います。(ネイティブ曲線は私の命名です)
 
このグラフからは様々なことが分かります。
 
その人のインプット能力がどのくらいであるかは、本人以外には分かりません。(本人も分かっていないかも知れませんが)
周囲からは、その人のアウトプット能力を見てその人の能力を判断します。
よって、海外留学帰りのA点の人は、インプット能力は低いものの、アウトプットは(学習初期なので)Y=Xの近くでペラペラと話せます。
この人と、B点の英文学の教授あるいは英日翻訳家(インプット能力はものすごいが普段アウトプットの必要性がないのでアウトプット能力が低い)とを比べると、第三者から見た場合は、B点の人の方が英語ができると勘違いされる/正しく評価される?ことになります。
 
ここからは、英語能力測定の試験作りの難しさにも展開するでしょうし、自分が会話に困らずペラペラしゃべっているからと安心して読み取りの能力に気づかないという危険の話にもつながるでしょう。
 
また。アウトプット能力はインプット能力を超えられない。これは大きな意味を持ちます。
 
コミュニケーション重視という旗印のもと、インプット能力が十分に上がらないうちにアウトプット能力だけ上げようとしても無理があるということです。
 
コミュニカティブアプローチというのは、大量のインプットが前提になっているとのこと。「コミュニケーション重視」という言葉の意味を取り違えないようにする必要があります。
 
  
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